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日本の起業家が世界へ羽ばたく支援を — Open Network Lab創設者の想い

日本の起業家が世界へ羽ばたく支援を — Open Network Lab創設者の想い

Open Network Lab は「世界に通用するプロダクトを作り上げるスタートアップの育成」を目的に2010年にスタートしました。立ち上げには、20年以上前に遡るデジタルガレージの創業背景と共通する想いが込められています。日本という枠を超えて発想されたその世界観を、創設者・林郁の原体験から紐解きます。

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シリコンバレーの起業支援スピリットを体感できる日本で唯一のプロジェクト

2016年Onlab第13期Demoday Best Team Awardの学習塾業務管理のComiru栗原さんと
2016年Onlab第13期Demoday最優秀賞の学習塾業務管理のComiru栗原さんと

Open Network Lab(以下、Onlab)は、グローバルに活躍するスタートアップの育成を目的に、2010年4月にスタートしました。

公募選抜制のシードアクセラレータープログラムなどを行う「インキュベーション」、シリコンバレーなど海外で活躍するスタートアップとのミートアップやスペシャリストを招いた講演などを行う「イベント」、それらの活動で形成された「コミュニティ」を通じて、スタートアップを育成・支援しています。

特に、シードアクセラレータープログラムでは、3ヶ月間でスタートアップの育成を行っており、これまでに75社(2016年10月時点)もの国内外で活躍するスタートアップを輩出しています。

本プログラムでは、多数の応募者の中から複数回の審査を通じて、「事業アイデア」「マーケットサイズ」「経営者やチームメンバー」を吟味しスタートアップを採択。そして、そのスタートアップを成功に導くために、活動資金やコワーキングスペース(代官山・鎌倉・サンフランシスコ)、さらに経験豊富な国内外のスペシャリスト(メンター)のアドバイスが受けられるような機会を提供しています。

Onlabの創設者である林郁(はやし かおる)は、他社のアクセラレータープログラムでは採択されないようなスタートアップも幅広く採択していると自負しています。まだIoTが注目されていない時代に採択した「WHILL」はその象徴です。WHILLは、脚が不自由であったり、遠距離を歩くのが困難な人たちがかっこよく移動できるパーソナルモビリティを提供しています。

「WHILLは当時、『マーケットもないし車椅子のスタートアップ?そんなのダメですよ』という声もありました。けれど需要もあり、車椅子のあり方を変える可能性があると思い、採択したんです。良いアイデアやチームであれば、業界業種のストライクゾーンを広くとっています。一見なんてことのないものにこそ、面白さがあるんですよね」(林)

さらに特徴的なのは、プログラム卒業後にアメリカに渡り、シリコンバレーの投資家やベンチャーキャピタルから出資を受けるスタートアップが何社も出ていること。Onlabでは、スタートアップが活躍する舞台、狙うべきところは世界だと考えています。

シリコンバレーでは、新しいアイデアや若い起業家への理解があり、投資に対するシステムやマインドも成熟しています。そのため、今でこそシリコンバレーに出向く企業は多いですが、創業時から築いてきた現地のスタートアップや投資家との繋がりは、Onlabの強みなのです。

「なかなか今の日本では若い人が起業するチャンスも少ないし、師匠やメンターもいない。それにアメリカのように投資システムのバックグラウンドも整っていません。それを私たちが資金面やオフィス空間などの設備面、そしてビジネスのアドバイスという面でもサポートすることで、日本からグーグルやヤフーのような会社が出てくるといいな、と」(林)

トライアンドエラーの繰り返し — 若いころの原体験を、次世代に向けて発信

Onlab創設者である林 郁(代表取締役 兼 社⻑執⾏役員グループCEO)と 伊藤 穰一(取締役 共同創業者)。 創業10周年を迎えた頃、サンフランシスコにて
Onlab創設者である林 郁(代表取締役 兼 社⻑執⾏役員グループCEO)と 伊藤 穰一(取締役 共同創業者)
創業10周年を迎えた頃、サンフランシスコにて

遡ると学生時代の林は、ロックバンドに夢中。さらに大学在学中に、別会社を創業していました。デジタルガレージの共同創業者である伊藤穣一は、現在MITメディアラボの所長と教授を兼任していますが、実は大学中退。そんなふたりが出会い、インターネットの未来を語り合う中で意気投合し、デジタルガレージが生まれました。

まだサーバーやルーターがない日本に、アメリカから無理やり持ち込んで、日本初のホームページを作ってしまったのが、この林と伊藤。そのような荒技で事業をスタートさせたその当時、林が一番強く感じたのは、起業に対する日米の感覚の違いでした。

「日本では一流の大学を出て大手銀行や大手代理店に就職して……と誰もが安定が求めていた時代でした。でも、アメリカではハーバード大学やスタンフォード大学のそれも大学院出身の若い人たちが、いきなり起業してグーグルやヤフーをつくっていたのです。驚くことに、アメリカでは田舎に住む高校生でも『世界を変えてやる』と本気で思っているんですよね」(林)

日本とアメリカの未来を生み出す若い人たちの情熱や冒険心の差を感じた林は「トライアンドエラーで新しい次の産業を生み出していくアメリカのようなベースがつくれないか」と、すでに考えはじめていました。この気づきがOnlabの土台にあります。

とはいえ、支援する事業アイデアやサービスの中には、数は少ないですが実現されないものもあります。それこそ、トライアンドエラーの繰り返しです。それでもやり続ける理由は、林の若いころの原体験にありました。

「僕自身20代の頃、先輩起業家たちから『頑張っているから応援してやろう』と助けてもらった経験が何度もあります。だから今、僕も同じように若い人たちに同じことをしているだけなんです」(林)

スタートアップに必要なのはマニュアルではなく “情熱”

Onlabのプログラム採択企業の選抜では、林を含む審査員たちが独自のポイントで判断しています。誤解を恐れずにいうと、林個人の判断基準はアイデア最優先ではありません。

「ポイントは、経営者としての素質があるかどうか。良い経営者であれば、アイデアが足りないときはプログラムでサポートしたり、20年の知見のある僕らやメンターがいくらでもアドバイスできます。逆にビジネスアイデアが良くても、経営者が曲がっていると最後はダメになる。結局は、◯◯さんだから投資をしたい、一緒にビジネスをしたいということ。投資というのは“人”によるものです」(林)

ただし、常に支援の手を差し伸べるのではなく、辛い状況下で生まれる“なんとしてでも成し遂げようとするハングリー精神”を芽生えさせた方が良いこともあります。それは、情報過多の世の中に甘えすぎないという、林の考えかたに基づいています。

「今の時代、情報は蔓延しています。上手にやろうと思えばいくらでも、近道を行くことはできる。昨今では需要のバランスが崩れているうえ、テクノロジーも進んでいるので、投資したいと考える人は多いのに、いわゆる良いスタートアップが見つかりません。だから、ちょっといいアイデアがあると、過度に投資が集中してしまう。でも、いい意味でハングリー精神が必要なときもあります。“遠回りが正解”ということもあるんですよね」(林)

なにより大事なのは、“マニュアル通りに上手くやること”より “情熱”があるかどうか。「濡れ手で粟」で儲けたいという発想ではなく、世の中の役に立とうという想いを持って起業しているかが大事なのです。

ファーストペンギンのように、今こそ世界へ羽ばたくチャンスのとき

今、2020年のオリンピックに向けて、日本を代表するさまざまな企業が集まってオープンイノベーションの取り組みを検討しはじめています。さらに、大企業もOnlabのようなプログラムを活用する時代になっているのです。

私たちOnlabは、東京オリンピックを目前に迎えたこの数年間を、非常にチャンスに恵まれた時期だと考えています。大企業が持っているノウハウと、スタートアップの持つ新しい発想や考え方が、今まさにコラボレーションできる時代になってきているのです。

「発表はまだこれからですが、Onlabが新たに連携する“プログラム”が待ち構えています。時代的にも新しいことを挑戦するチャンスはどんどん増えてくるでしょう。Onlabを踏み台にして、日本を代表する スタートアップがどんどん出てきてほしいですね」(林)

Onlabを立ち上げた林が、代表を務めるデジタルガレージの創業哲学は“ファーストペンギンスピリット”です。

「ペンギンの餌となる魚は、シャチなどの天敵が多く潜む海の中にいる。その危険な海に勇気を持って飛び込む最初のペンギンを、ファーストペンギンと呼びます。危険を顧みずに最初に挑戦する精神“ファーストペンギン・スピリット”は、Onlabにもしっかりと引き継がれています」(林)

同じ想いを持ち、この時代をチャンスに感じて、飛び込んでくる情熱のある起業家との出会いを私たちは待ち望んでいます。そして私たちも、ファーストペンギンとして、日本から世界へ羽ばたく企業を輩出する準備はできています。

さぁ私たちOnlabとともに、勇気を持って「世界」という海に飛び込みましょう。

(執筆:PR Table 編集:Onlab事務局)

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